第68回広島大学講演会「広島大学から世界へ」
~世界のトップ研究者に聞く~
iPS細胞でノーベル生理学・医学賞を共同受賞された
山中 伸弥博士と、ジョン・ガードン博士の講演会を
お聴きしてきました。
会場には、広島大学の学生さんのほか、
最前列に高校生たちが並んでいて、
受講後、積極的に質問していました!
それも、ガードン博士には英語で!
素晴らしい!!
それも、お二人の研究内容について…
とても近い距離で、お二人に接することができて
彼らの将来が楽しみです♪
山中博士のお話の概要を、研究者を目指す小中学生のためにちょっぴりご紹介!
【生きていくうえで、大切なこと】
山中博士のお話は、iPS細胞についてはもちろん、
ご自身がどんな経緯で「研究者への道」につかれたのか、
そして、研究所長に教わった「生きていく上で大切なこと」は何か
をお話してくださいました。
研究者への道につかれたのは、
ご自身が高校生の時、お父様が職場でケガをされ、
それがもとで病気になられ、医学への道を志されたのだそうです。
ところが、ようやく医師になられた頃に亡くなくなってしまわれ、
現代の医学で治らないならば、治すためにどうすればよいのか、
「研究」しよう…と
再び大学院へ、そしてアメリカのグラッドストーン研究所へと
渡られたのだそうです。
この時、研究所所長から教わったという
ご自身が「生きていくうえで大切な2つのこと」とは…。
(1)研究者として成功する秘訣とは何か?
VM
Vison & Hard Work
ぶれないヴィジョンに向かって、一生懸命にやること
一生懸命やること…は、得意だった。
そこにヴィジョンが必要。
何のために研究するのか? 何のために研究者になるのか?
自分の名誉や成功のため…ではなく…
(2)ES細胞:Embryonic Cells
無限に増やせて、どんな細胞にもなれる
「受精卵」を使って作っていたことが、その後の展開の大きな課題だった。
ヒトへの応用に於いて、受精卵を使うことは、とても難しい問題がありますものね…。
その後、日本に帰られ、様々な環境の変化、研究に集中できない状況に
「アメリカ帰国後うつ病」状態になったものの、
この2つの教わったことをもとに、
メンバーにひたすら「Vision」を語り、
もうひとりの受賞者、ガードン博士の研究内容(細胞のReprograming)を応用され、
皮膚細胞をES細胞のようにすることに成功されます。
これが、iPS細胞(induced pluripotent stem cells)なのだそうです。
このiPS細胞の可能性は、自分の細胞を他の機能を持つ細胞に変えてしまうことができるため
医療の様々な可能性を拓くものであることが
私にもよく分かりました!
このジャンルに大きな期待、そして反面クローンなど一抹の不安も…。
山中博士がアメリカで教わったことには、
子育てにも、大いに活かしたい要素がありますね!
遺伝子のスイッチのお話もしていただきましたが、
子どもたちはもちろん、私たち自身も「やる気スイッチ」をいかに入れるか
参考になりました。 ^^
山中博士は、マラソンにも挑戦されています。
それは…年間5億円という研究費を賄うため…。
京都大学にある研究所、400人の職員・研究者がおられるそうで、
研究費はもちろん、維持管理・人件費などのために、
公費助成などでは足りなくて、こうしてマラソンで寄付を募られるそうです。
そこが基礎研究の難しいところですよね…。
山中博士が所長を務められる 京都大学 iPS細胞研究所
チェックしてみてくださいませ!
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